上下関係(会社や職場、仕事での上司への敬語と言葉遣い)


原則2 上下関係をつねにわきまえる

会社はいうまでもなく組織であり、各自のポジションによって上司と部下、先輩と後輩といった上下関係がはっきりしています。こうした関係のなかでは、それぞれの立場に応じた付き合い方があります。新入社員の場合は、上下関係で見れば一番下にあたり、周りは同期生以外の全員が目上の人にあたります。とくにこうした点に留意し、そのうえで立場に応じた行動が必要です。

会議などで意見が違っても、相手の立場を尊重する気持ちを忘れない

上司と意見が対立した場合、自説を通す自信があっても、相手の立楊を考えた発言が大切です。相手の立場を尊重していることが態度でわかるくらいのほうが、あとにしこりを残さなくてすみます。自分の考えをわかってほしいなら、あとで個人的におだやかに話してみるのも良い方法でしょう。

意見があるときは、提案型の発言をするのも方法

上司の意見に正面から反論せず、「こんな方法も考えましたがどうでしょう」という形の提案方法もあります。これなら先輩などの面子をつぶさずにすみます。

上司・先輩には、敬語を使う

目上の人に対して敬語で話すのは常識です。上司などがたとえその場にいなくても、上司のことを話すときには、やはり敬語を使います。

なれなれしい言莱づかいは禁物

部下が上司と親しくつきあえることは、もちろん望ましいことです。しかし、いくら親しくなっても、仕事上のお互いの立揚を忘れたような妙になれなれしい接し方は、組織のなかでは許されません。とくに言葉遣いには、ついなれなれしさが出やすいので注意が必要です。

上司・先輩から声をかけられたら、すぐこちらから出向く

目上の人から呼ばれたとき、席に着いたままで、その場で指示を受けようとする態度は考えものです。すぐ席を立ち、上司のそばまで自分から出向いて、受け答えするように心がけることです。

注意や意見には、まず謙虚に耳を傾ける

上司などから注意や叱責を受けると、誰でも嫌な気分になるものです。しかし上司の方は、間違いを正して能力を伸はしてやろうと思うからこそ注意をうながしているのです。それだけ期待されているということもできます。そう考えれば、小言や叱責も、謙虚な気持ちで受け入れられるでしょう。

先輩からの厳しい注文に、「なぜ自分だけ」の気持ちは、コミュニケーションを悪化させる

自分が他人に比べてよく注意されたりすると、「嫌われているからだろうか」などとつい考えがちです。本当に感情的になってしまっては、コミュニケーションは悪化するだけです。注意すればよくなると見込まれたからこそ、よく注意を受けるのです。

先輩が年下や同い年でも、きちんと敬語を使う

職場の先輩が自分より年下や同い年といったケースも少なくないでしょう。しかし、職場では年齢に関係なく、先輩はあくまで先輩です。付き合うときにはそれなりの接し方が要求され、話すときにはきちんと敬語を使うのが仕事上の決まりです。

上司や先輩と、仕事観や人生観が違っていても、そのことを自分からは口にしない

上司と生き方やものの考え方が違うことがあるのは当然です。しかし、そうした考え方の違いを論争してみてもあまりプラスになりません。その点には触れないであくまでも相手を立てた話し方が必要です。

オフタイムの席で、かしこまりすぎると、いつまでも先輩と打ち解けられなくなる

職場を離れた酒席などで、先輩がリラックスして付きあおうといってくれているのに、なおかつ遠慮して固くなったままだと、本当の付き合いも望めなくなります。

相手の意見に反論するときは、何らかの前置きを添えることも大切

急に反対意見を言い始めると、同じ反論でも強い調子に感じられ、相手が感情を害することもあります。「たしかにそうですね」など、前置きから切り出すと、ニュアンスも柔らかくなります。

先輩がくだけた話題を持ち出しても、分をわきまえた応対を心がける

くだけた話になったからといって、調子に乗ってはしゃいだのでは、分をわきまえない印象を与えます。先輩の前では、やはりある程度の緊張を保っていたいものです。

「聞いてないからわかりません」は禁句と覚えておく

上司からミスを注意された場合、細かい部分まで指示を受けていなかったときなどは、自分には非がないものと考えがちです。しかし、上司は、細かい指示をしなくてもできるだろうと、能力を買って指示を出したのかもしれません。細かい点まで考えなかった自分を反省して、答え方をもう少し考えましょう。

仕事でミスをしたときは、まず「申し訳ありません」と言う

まだ教えてもらっていないことでミスをした場合でも、まず謝ってからその理由を話します。そうすれば、初めから言い訳をするのに比べて、上司の印象も違います。

先輩の失敗などには、むやみに口をはさまない

先輩が上司に叱られているときには、下手に同情の言葉をはさまないのが先輩に対する心遣いでしょう。下手に口をはさんだりすると、先輩はよけい恥ずかしく思うものです。

周りの人たちが何をしているかを意識して、つねに「何か手伝えることはないか」と気配りをする

先輩たちの仕事を何か手伝えれば、新人のうちならそれで仕事を覚えることにつながります。こうした協力を通して連携が生まれれば、今度自分が忙しいときは先輩が手を貸してくれるでしょう。ギブ・アンド・テイクも、人付き合いの基本です。

会社での人付き合いの基本3 職場では好き嫌いを態度に出さない